古川益一

現在、日本だけでなく世界で広がっているコロナショック。
この厳しい状況をいかに乗り切っていけばよいのか? 当大学講師でもある古川先生のお考えを、名古屋事務局長である関上が伺い、まとめたものです。
ご一読いただき、参考にしていただければ幸いです。

 


コロナショックを乗り切る経営

“流れにのまれず流れに乗る“

文責:古川 益一

編集:関上 直人

 

 今、世界中で問題となっているコロナショックに対して、私の所感・考え方・乗り切り方などを、過去の経験等を踏まえて、まとめました。

 コロナショックを乗り切る考え方の1つとして、お読み下さい。

 

 

1.コロナショックは、正しく恐れる

 日本は、世界の中で際立って感染率の低い国です。

 世界各国の感染率は急激に上がりますが、日本は、ゆるやかに感染していきます。

 各国が感染防止対策をして、感染率が抑えられても、それは通常の日本の場合と同じ程度になったに過ぎません。つまり、日本は爆発的な感染は起きにくい特別な国として不思議がられています。

 日本の致死率は数%程度です。今まで(4月10日時点)に約100人であり、120万人に1人の割合です。そして、8割の人は大した事がなく、2割の方が重症になり、それも身体の弱い方に集中しています。

 

 今話題になっているPCR検査では、新型コロナウィルス以外の土着ウィルスなども拾ってしまうため、コロナウィルスでない方も、コロナウィルスと認定されてしまう事もあり、厳密な判定が難しいと言われるような楽観論もあれば、爆発的に死者が増え、日本が崩壊するなどの悲観論もあります。

 あわてず、冷静に考えていただきたいものと思います。

 楽観的でもなく、悲観的でもなく、正しく恐れましょう。

 

2.細菌の歴史

 細菌は世界の歴史を変えてしまう程、重大な影響を及ぼしてきました。

「ペスト(黒死病)」は、ヨーロッパを中心に流行り、中世を終わらせました。天然痘、黄熱病、コレラ、スペイン風邪なども、その国を滅ぼす程の影響を与えてきました。

 しかし、細菌は絶滅しないものの、人が一度かかってしまえば抗体ができ、うまく付き合っていくことができます。

 世界中の研究者が、コロナウィルスの正体を突き止め、克服する研究を進めています。それまでの我慢のように思います。

 

3.コロナ不況から回復までどのくらいかかるのか?

 私の経験では、バブルやリーマンショックを振り返ると、回復までに3〜4年かかっていたように記憶しております。

 ただ、この時はお金だけが問題でした。お金は大変でしたが、ヒト・モノは動いていたのでなんとかなりました。

 今回は、ヒト・モノが止まっている状態です。そして、カネはどんどん出ていくこととなるため、貨幣価値が下がり、更に不況になる可能性も考えられます。

 結果的に、ヒト・モノ・カネがもがれているような状態となっており、元の状態に戻りにくいと思います。

 従って、回復するにも、全く違う形になる可能性も考えられます。

 

 このように、今回のコロナショックは、今までの不況時とは本質的に違う状況のため、今後どのようになっていくのか予測が立ちません。

 今まで経験したことのないような、世界大恐慌になることも考えられます。

 

4.グローバル化の反省

 今回、コロナウィルスが流行った要因の1つとして、グローバル化があります。

 今後、江戸時代の鎖国のような世の中になる可能性も考えられると思います。

 現代は、国際間の考え方に於いて自国中心主義になっており、戦争も世界各地で起きています。この自国主義から、調和へと変化してゆくのではないかと思います。

 海外の工場は止まり、自動車会社など生産はストップしています。

 インバウンドによる中国の爆買いも無くなり、「日本は観光大国」など遠い昔のように思えます。

 

 日本国内で、移民を受け入れるべきか、受け入れないべきかの議論があります。

 それは理念、つまり国民性の違いにより判断すべきものと思います。

 日本の良き風土が、海外の人が入ることによって薄れてしまうことが怖いと思います。

 今回のコロナウィルスで、海外からの受け入れ議論が収束していくのではないでしょうか?

「日本のことは日本でやっていこう」という流れになるのでは? と思います。

 

5.流れにのまれず流れにのる

 私は以前から世界が混乱しどうしようもなくなった時、日本の良さが見直され、新しい時代がくるのではないか? と密かに期待していました。

 ただし、今の状況を乗り越えなければなりません。

 今まで普通に経営している会社は、なんとかなると思います。政府、銀行は、お金を出してくれますので、一挙に多額のお金が集まる時です。

 まずはお金を借りておき、少しずつ使い、時期を待つのが賢明と思います。

 

 しかし、今まで納税を怠たり、とことん悪化している会社は、この際、閉めてしまい出直すのも一つの選択肢です。

 いずれにしても、経営を続ける場合は、お金を借りられるだけ借りて売上が落ちても耐えられるようにしておく事が重要と思います。

 様々な対策を研究し、コロナショックの流れにのまれず、流れに乗る事が重要と思います。

 

 流れに乗る一つの考え方を申し上げます。

 物理的に「これだけのお金がないとやっていけない」という考え方をもっていたら、180度考えを変えてほしいと思います。

 私は、会社を倒産させた際、金持ちになろうと決意しました。「どんなに少額となっても、満足して受け入れる感謝の心をもつことが金持ち」と定義することにより、金持ちになれました。

 収入は、いくら減った所で心配することはありません。その金額の範囲内で生活することができれば金持ちです。

 

6.自殺者の推移から見る、お金に対する考え方

 約20年前位から、国内の自殺者は年間3万人程でしたが、徐々に減り昨年は2万人くらいまでになったものの、今回のコロナショックにより増えています。

 当大学では「会社経営の免許証をとってほしい。つまり大学で使用しているテキストを習得してほしい」と訴えてきました。

 しかし、免許証をもっていたとしても、もらい事故は起こります。その時は、正直に状況を伝え助けを求めて下さい。日本人にはお互い助け合おうとする調和の精神があります。

 

 当大学でも、とことん相談に乗りたいと思います。

 毎月2回行っている勉強会に出席して経営を学びプロ経営者を目指して下さい。そして自分自身で手に負えない時は、遠慮なくSOSを発信して下さい。

 私は、これまで自殺者を3人見てきましたが、絶対に思い詰めないで下さい。

一人で悩まずに「たかがお金のこと」と割り切って、気楽に考えて下さい。

 

7.日本という国を見直そう

 これからどのように変わっていくのか? 日本の役割は何なのか? を考えるため、日本の歴史を紐解いてみました。

 私は、日本文明が縄文時代からあり、世界最古ではないかと思っております。

 その中で、注目した事は「文字」です。

「日本語は、哲学の宝庫」と言われますが、これを誰が作ったのか? ずっと前より疑問に思っております。

 

 例えば、「樂しい人生」で考えてみましょう。

 樂しいは、形の世界と心の世界を表しています。

 形の世界は、白い心で糸のように柔軟に生きること。

 形は、あればあった方が良い程度の必要なもの。

 心の世界は、木のように根を張り、どっしりと生きること。

 心は見えないものだが、自分の信念として大切にしなければならない重要なもの。

 この2つの調和により、人の字のようにお互い支え合って生きると「樂しい人生」が送れると読めます。

 

8.日本の先人達の偉業

昔から日本は、「黄金の国・日出ずる国」と呼ばれていました。この「日」は、東から出る意味の他に、もう一つの読み方として、霊(ひ)とも読みます。

つまり、日本は霊、目に見えない神がおり、日出ずる国=神の国と言われてきました。

国旗である日章旗を見ても、他の国家とは完全に異質なものです。

 

日本がいかに優秀であったか。過去の様々な困難に国民が一致団結して乗り越えてきました。それは、まさに神がかったものでした。

 

・鎌倉時代、モンゴルが日本へ2度攻め込みました。1回目は、北条時宗を中心とした武士団が押し返し、約7年後、2回目に攻められた時も、戦略的な戦いによりこれも追い返しています。決して神風と呼ばれる台風ではありません。

・江戸時代、徳川幕府は外国からの侵略を鎖国により守りました。

・明治維新の時も、内乱から国内がまとまり、諸外国からの侵略を守りました。

・日露戦争でも、乃木将軍のように、死を恐れず全軍一丸となって戦い、相手の戦意を喪失させ、勝利に導きました。

 

・第2次世界大戦では、「世界から、アジアを守るために戦う」と宣言、欧米の植民地時代を終わらせました。

日本は敗戦したものの、東南アジア諸国を独立させ「日本は母体を殺しながら、

私達子供を産んで下さったお母さん」と東南アジア諸国から感謝されています。

 

9.中小企業経営者への期待

このように、日本は国内のみならず世界の重大な局面の時も、大きな役割を果たしてきました。

今回のコロナウィルスは、日本だけが感染速度が遅いことからも、いかに特別な国であるかがわかると思います。

つまり、日本がコロナショック後の世界をリードしてゆく立場になるように思えてなりません。

 

日本が、世界のリーダーになる姿を密かに期待しています。

そして、その日本の中核を担うのが、政治家でも行政でも大企業のサラリーマン経営者でもなく、品性ある中小企業経営者であるように思います。

 

「品性ある経営者」とは、経営理念に裏打ちされたリーダーシップを発揮し、同時に経済性を達成しながら、社会に貢献してゆくプロ経営者のことです。

 プロ経営者とは「数え切れない経営者の中にあって、極々限られた存在価値を持った経営者」である事は、皆さんご理解頂けると思います。

 そして、皆さんが目指す目標としている経営者像でもあります。

 

 この度のコロナショックに対する考え方は、実に様々な考え方があり、どれを信頼して良いかが全くわかりません。

 私の考え方もその内の一つである事は間違いありませんが、当大学へ来られる皆様に対し、自覚を促す一つのメッセージとして受け留めて頂きたいと思います。

 お読み頂き、ありがとうございました。